男性型脱毛症の原因には様々なものが考えられますが、その中のひとつとして、遺伝による可能性が高いということが最近の研究によって明らかにされています。そして、それと関連するのが、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンの働きであり、テストステロンが5αリダクターゼと呼ばれる変換酵素の働きによって、ジヒドロテストステロンというホルモンに変換され、これが頭皮の細胞と結合することで発毛が抑制されてしまいます。また、男性型脱毛症を発症する多くの人は、X染色体にある男性ホルモン(ここではテストステロンではなくアンドロゲン)に異常が見つかり、この男性ホルモンの受容体の変異によって脱毛が進むのではないかということが、遺伝子検査によって明らかにされました。

では、男性型脱毛症と遺伝、男性ホルモンがどのように関係しているのか、簡単に見ていきましょう。先程、X染色体の男性ホルモンに異常が見つかると述べました、X染色体は母親から受け継ぐものであり、そのため母親の家族、主に母親の父親やその上の代が脱毛の傾向にあれば、遺伝により脱毛になる可能性が高くなるということがいえます。母親の系統が脱毛していたら、受け継がれるX染色体に異常を来しやすくなり、結果男性ホルモンが活発になって脱毛になりやすくなります。ただ、これに関しては今でも研究が進められている最中なので、もちろんすべての人に当てはまるわけではありません。また、これが原因になるならば、対策をすることが困難になってしまうので、他のアプローチから男性型脱毛症の対策をすることになるでしょう。

他の原因としては、バランスのよい食事や適度な運動、十分な睡眠などの生活習慣が乱れることや、日々における過度なストレスなどが挙げられます。遺伝による原因に対する対策が困難であれば、上記のような改善できることから少しずつ改善することにより、脱毛の進行を止めることが重要になります。また、男性ならではの症状ということで、女性よりも頭皮の環境を考えない人が多いということも背景にあります。最近では風呂に入ることも面倒な人が増え、シャワーだけで済ます人も多いです。脱毛を予防するには、まずは頭皮環境を清潔に保つことから始め、時おり皮膚科やクリニックなどでチェックしてもらうことも大切です。より効果的な予防をするために、専用のシャンプーなどを用いることも考えられますが、それは同時に頭皮へダメージを与えることにも繋がりかねないので、最小限にとどめておきましょう。日々のストレスを適度に発散することも大切です。ストレスが溜まると、男性ホルモンにも影響がでてしまい、脱毛が進行することになることもあります。プライベートと仕事のオンオフを切り替えることを意識し、ストレスを溜め込まない、あるいは適度に発散することを意識しておきましょう。バランスの良い食事を心がけることも大切ですが、現代の忙しい時間において、それを毎日継続させることは非常に困難なことでしょう。そこで、栄養を補うという点において、気軽に栄養を摂取することが出来るサプリメントやドリンクなどを活用することも効果的です。ただ、中には希に男性ホルモンに影響を与える可能性があるものも販売されているので、心配ならば医師や薬剤師などに相談すると安心して活用することが出来るでしょう。

これらの予防方法や対策方法を心掛けても脱毛に悩む場合には、男性ホルモンの影響があるかもしれないので、皮膚科やクリニックへ相談するようにしましょう。必要に応じて遺伝子検査などを受けられるので、自分の脱毛についてより詳しく知ることができ、さらに適切な対策をすることが可能になるでしょう。