厚生労働省が「プロペシア」について注意喚起していることとは

現在の日本でも老若を問わずに悩んでいる方が多いのが男性型脱毛症で、今では専門クリニックもたくさん出来てきていますので改善するチャンスも多く、主に男性型の薄毛に効果的だといわれるプロペシアを使った治療がよく行なわれるようになってきています。しかしこのプロペシアについては厚生労働省や米国食品医薬品庁(FDA)から注意喚起が出ており、厚生労働省によるとプロペシアの主成分であるフィナステリドは男性限定であり、女性に対して使用しないように気をつけなくてはいけないのですが、理由は女性が妊娠中にこの成分に触れてしまうと体内に吸収されて新生児奇形になってしまう恐れがあるからです。これはプロペシアだけではなくプロスカーにおいてもそうだといわれており、もし体内にいるのが男児だった場合に性器に異常があらわれる可能性がありますから、女性や子供がいる場所では絶対に薬をカットしたりしないようにしなければいけませんし、もしいない所でするとしても粉を落とさないようにする必要があります。

 

またフィナステリドの副作用としてあるのが男性のED症状が出てしまうことで、勃起しにくい体になったり、勃起はするけれども行為の最終的な射精にまでは至らないという状態に陥りやすいので薄毛が改善されてきたはいいけれど、今度はまた別の問題で悩むことになってしまったという事態も有り得るということです。ただこのED症状などがプロペシアやプロスカーを服用している全ての人に起きるわけではありませんから、そこは誤解しないようにしてそういうこともあるんだということを頭の片隅に置いておくようにするのが良いということで、特に奥さんや彼女と一緒に暮らしている方は手に触れることがないように相手にもきちんと説明しておくほうが良いですし、相手のほうにも注意をしてもらうようにしたほうが危険を避けることができるでしょう。

 

また現在では薬の服用ではなく、頭皮に直接注入するという方法で改善をすることができるものもありますから、女性や子供が薬に触れないですむ方法の一つとしてその治療を受けてみるのがよいといえるでしょう。この方法を育毛メソセラピーやHARG治療といい、この2つはどちらも同じやり方で同じ効果があるものなのですが、HARG治療のほうがブランドになっている薬を使うために1回あたりの価格が育毛メソセラピーの5倍ほどしているという事実があります。ただこれはあくまでブランドの薬にこだわるかどうかということだけですから、あまりブランド云々は関係ないということであれば治療を続けるということを考えてもリーズナブルな育毛メソセラピーのほうを選択するほうがやりやすいのではないでしょうか。

 

現在では男性型脱毛症の専門クリニックができていますし、そういうところではあらゆる方面から治療にあたっていきますので改善への近道となる可能性が高いですし、この育毛メソセラピーにおいても成長因子も注入することによって、薬だけでは補えない部分もカバーして強くて丈夫な毛を少しでも多く生えさせるように治療していくことができます。特にM字型の薄毛の場合は額付近の毛であるということで育毛剤の塗布も難しいということがあり、頭皮に薬剤が浸透するよりも前に垂れ落ちてしまうことも多いですから、直接頭皮に注入するという方法は画期的だといえるでしょう。価格は1回につき、HARG治療であれば10万円前後、育毛メソセラピーであれば2万円前後でそのクリニックによって価格設定は少し違ってきますから、そのクリニックの評判と価格などを比較してから選択するのが良いです。

 

そして育毛に関しては毛周期の関係もありますので皆が皆同じ期間で改善するというものではなく個人差があるものですからのんびりと気楽な気持ちで長い目で見ながら治療していくつもりでいるのが良いですし、とにかく続けていくということを目標にしておき、他人の育毛ばかりを気にせずに自分は自分であるという風に考えて、あくまで他の方の治療については参考程度にしておくのが正解ですし、短期間でいろんなものを試すのではなく自分にあったものを見つるのが先決です。薬だけではなく、自分の食生活などの生活習慣を変えていくことも髪に良い状態を作り出すことへとつながっていくので、髪に良い食べ物を食べたり、適度な運動をできれば毎日するようにしたりするのがオススメです。

日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドラインとQOL

薄毛や抜け毛の原因は、ストレスや生活習慣、シャンプーの仕方、加齢、遺伝、病気など様々ありますが、最近男性の抜け毛や薄毛は男性ホルモンが関係していることが分かってきて、それが原因の薄毛や抜け毛を男性型脱毛症「AGA」と言い専門医を受診することで改善される可能性があるといわれています。ストレスや生活習慣が乱れると、若くても円形脱毛症になったり、血液の循環が悪くなって頭皮にまで血液がいきわたらずに栄養不足になることで発毛や毛の成長に悪影響を及ぼし、シャンプーの仕方によってはしっかり頭皮まで洗えていなくて毛穴に皮脂がこびりついたり、シャンプーがすすぎきれなくて残ってしまったり、また過度にこすりすぎて頭皮を傷つけ炎症を起こしたりすることが抜け毛や薄毛の原因になります。

 
AGAといわれる男性型脱毛症は、男性ホルモンの一種が抜け毛や薄毛にさせるホルモンに変化して起こるもので、そのホルモンを変化させている物質が前頭部や頭頂部の毛根にあるために前頭部や頭頂部に薄毛が目立ってき、後頭部や側頭部には症状が表れにくいことが特徴です。このような症状は男性ホルモンの分泌が活発な思春期以降から現れ若くから悩みの種となりますが、男性ホルモンを薄毛にさせるホルモンに変える物質が分かっているので、その物質を抑制する成分か、発毛、育毛を促進する成分を配合したヘアケア製品を使ったり、専門医にそれらを配合する薬などを処方してもらうことによって改善へと導くことが可能なのです。だから男性型脱毛症になった時の対処法としては、そのようなヘアケア製品を使ったり、専門医に相談しに行くという方法、またはかつらをつけたり植毛をするという方法もあります。
日本皮膚科学会ではAGAに関して、薄毛や抜け毛のさまざまな治療方法、対処方法の中から、日本皮膚科学会が勧める方法や配合されている成分について推奨度を定めた診療ガイドラインを作っていて公表しているので、薄毛や抜け毛に悩んだときにどのような対処法や治療法が良いのかを決める際に参考にすることができます。

 
推奨度の分類としてははA~Dまであり、薄毛治療法においての治療効果やQOLに悪影響がないことなどを判断材料とし、ランク付けをしています。日本皮膚科学会が研究をしてきた結果、ミノキシジルとフィナステリドを成分とした薬が男性型脱毛症に一番勧められるとして、ミノキシジルの外用薬とフィナステリド内服薬をAランクに位置付けていて、塩化カルプロニウムの外用薬やアデノシン、サイトプリンなどの成分を配合した医薬部外品や化粧品の育毛剤はCランクに位置付けられています。ミノキシジル外用液は研究の結果、発毛の効果が認められ副作用も発現しなかったことから高く推奨され、フィナステリド内服薬は男性ホルモンの一種が薄毛や抜け毛を起こさせるホルモンに変える物質「5aリダクターゼ」を阻害させる働きが認められ脱毛状態の改善、毛髪数の増加などが認められたこと、そしてさらに前立腺がんのマーカーも低下することが認められたので男性が服用することに対してはAランクとなっています。ただフィナステリド内服薬に関して、男性には高く推奨されていますが、更年期以降に生じた男性型脱毛症に関しては無効であるとともに、妊娠中の女性が使用した場合で、胎児が男児である時には男児の生殖機能に悪影響を及ぼすこともあるので、女性の服用はしないようにDランクとされています。

 
また植毛という治療法としては自毛の植毛ならBランクですが、化学繊維で作られた人工植毛に関しては、過去に多くの有害報告があるためDランクとなっていて「行わないように勧められる」ということになっているのです。これらのランク付けは研究論文をもとにつけているので、研究論文のないものについてはランクが低くなっているものもありますが、その中には実際には有効であるという可能性も否めないのですが、日本皮膚科学会がこのように治療法における推奨度を定めてくれているので、薄毛に悩む人にとってどのような治療法を選ぶかを選択するときに指標となり、無駄な努力をしたり無効な治療にお金をかけるということも少なくなるというメリットがあるのです。

 
このようなガイドラインも定められ、市販のヘアケア製品にもミノキシジルを配合した育毛剤などがあり、専門医では診療ガイドラインに沿った薬を処方してもらえたりするので、薄毛に悩まなくてもよい世の中となってきました。